佐々木正悟のメンタルハック

メンタルハックをテーマにおいたビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のワークスタイルを中心に書いていきます

レビューの影響力はもっと低くていい

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昨日この記事が少し賑わっているなと思っていたら、いつも読んでいる倉下さんの記事にも出くわしました。たぶん偶然だと思う。

 

しかし、ニッチな本であれば、なかなかその母数が大きくなることを期待できません。本を読んだ人すべてがAmazonでレビューを書くわけではないので、どうしても偏りが生じるのです。で、最初についたレビューがすべて、という結果に。

 

honkure.net

これからは検討したい問題です。

私自身、倉下さんと同じように「最初につけられた★がたまたま1個だったので、Amazonではキツいことになった」という経験があるからです。複数の本を書いている著者であれば、こういう経験をしうると思います。

 ただ、私のその本はKindleがなかった時代のものですから、アマゾンレビューが厳しめでも、それ自体の影響は限定的で済んでいたのです。つまりこれまではだいたい、そうだったのです。

でも、これからはなかなかそうはいかないケースが出てきます。Kindleだけで出ている本がアマゾンで最初に厳しくレビューされると、売り上げに響くでしょう。そしてAmazonでの売り上げがほぼすべての売り上げ、というケースも多々出てくるでしょう。

こんなケースにふれるとまず考えるのは、「Amazonの場合レビューの影響が強すぎる」ということです。これまで書籍は、他人がどう思っているかによって購入の判断をすることが少なかった物品です。

書店でもランキングや人気書籍など、世評から独立して本が売られているわけではありませんが、なんといっても本に関するほとんど全てのことを、書店ならその場で確認できますから、どなたかが星1つにしているか、5つつけているかを買う人が気にすることなどあまりなかったはずです。

アマゾンで本を買う時には「本に関する情報」が実は不十分に見えます。また、倉下さんが同じ記事で書いているとおり

 

そこそこ数が売れている、『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』もAmazonレビューは一つです。でも、本書の感想や言及記事は20近くもあります(※)。あと『アリスの物語』なんかも、Amazonではかなり評価は低いですが、SNS周りでは良い感想を頂いています(まあ、著者本人に直接悪いことを言う人は少ない、というバイアスはありそうですが)。

というのも問題です。私などは買う時でも、書籍に関する評判は、できれば1カ所に集まっていて欲しいと思うくらいですが、レビューする人はアマゾンにレビューするのもブログに書くのも自由に決まってますし、2つ同じものを書くのは手間なので、そういうことは期待しにくい。

だいたいレビューというのは、サービスやものに関する情報不足を何らかの形で補強する(多くはバイアスを修正する)ものであって、購入の決定を左右するというのはやや行き過ぎな印象があるのですが、ネットでは情報提供が不十分かつ偏りがちになっていたということで、そしてレビューを集めやすいため、結果として大きな影響力を持つようになっています。

地道ですが出版側としては、本に関する情報をなるべくまとめて容易にアクセスできるようにしておくのが良さそうです。読者は、「どんな本であるか?自分が読んで満足するか?」を事前に予想できればいいわけです。少なくとも現状ではそうなってないから「買って損した!最低のカス本だ!」といった「書評」に気持ちが挫かれるのです。

もう一つ考えたことがあって、著者は心外なレビューには反論するのもいいと思います。倉下さんも記事冒頭で

特に愚痴とかではないので、軽く聞き流してください。単なる観察と考察の結果を記します。

と書かれていて、私もいちおう著者ですからこう書く気持ちはよくわかりますが、しかし著者の意図が十分に伝わらないということなど、本当に日常茶飯事です。それが、心外なレビューに著者が直接反論することで、出版された本についての著者の意図が、部外者にもより伝わりやすくなります。

倉下さんのことは個人的に知っていますから、今回の私に関しては、「ホンクレの記事」のおかげですごく多くのことがわかった!ということはなかったのですが、これが部外者であったら、きっとこのようなやりとりによって、また本について新しい情報を得られたでしょう。

もう聞き飽きたことですが、本が実に多く出されている時代です。今後ますます増えていきます。決定的に不足するのは、各読者にとってどの本を優先的に読んだらいいかを知るための情報です。心外なレビューとそれへの著者の反論は、いろんなことをみせてくれます。

レビューであれ、著者からのメッセージであれ、Amazonの紹介であれ、ブログ記事であれ、バイアスがかかっているのは当然です。書店は本を売りたいのですから。それを酌量するための仕組みの1つがレビューですが、さらにいろんな情報が必要だと思うのです。