佐々木正悟のメンタルハック

メンタルハックをテーマにおいたビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のワークスタイルを中心に書いていきます

人生の推理小説みたいなコミック

推理小説のおもしろさというのは、私にとっては要するに「あ、それは気づかなかった」というものです。たぶんかなり一般的でしょう。そう考えればよかったのか、と。

中学受験時代の算数の問題みたいなものです。ただし、中学受験においては、試験会場で「それ」に気づくというのでは遅すぎるため、あれは出来レースみたいなところがあるのですが。

戸田誠二さんという人の描くコミックのおもしろさはそうした「落とされかた」にあります。どんでん返しというのとはちがうのですが、最初に呈示された状況に関する視点をまず与えられ、さいごに新しい視点を与えられ、相対化できるわけです。

 

生きるススメ

生きるススメ

 

 そういう小説は、特にショートショートにたくさんありますが、この著者の作品には、「人情で落とす」というユニークさがあって、そのため、シュールな感じがほとんどないのです。たいていの「新しい視点を得る」ことで解釈の変わる単話には、シュールさがつきまというものです。星新一さんのSFが代表的ですね。

『生きるススメ』には、よくこんなに考えつくな、というくらいたくさんの「1ページもの」がつまっています。さいごのコマでたいてい情緒で落とされるというのは、他にはあんまりない気がします。

たとえばこんな感じです。

f:id:nokiba:20170601200933p:plain