佐々木正悟のメンタルハック

メンタルハックをテーマにおいたビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のワークスタイルを中心に書いていきます

昔に戻ってやり直すためのライフログ

ライフログって何の目的で記録するのですか?

という辛辣な質問があります。これは難しい問いです。じっさい「ニヤニヤする」で済まされようとしていた時期がありますが、十分に説得的だとは思えませんでした。

でもそもそも「ニヤニヤする」ってことは、ライフログを見ると楽しいという面があるわけです。なぜでしょう?

これは、上野動物園にパンダといっしょに写っている写真を見ればある程度わかります。パンダが好きなら、ですが。「ああ。行ったことあったんだね!」から「ああそうだった・・・」となればしめたもの。経験を再生できるわけです。

ここからいきなりまた精神分析の話を連想してしまうんですが、今ではぜんぶがそうだというわけでもないようですが、古典的に精神分析では「子ども時代を思い出すこと」をまず求められていました。

ライフハック界隈だけではないと思いますが、「学生時代に戻れたらもっと英語を勉強するのに・・・」という方はけっこういらっしゃいます。これの解決作は比較的簡単で「今からでも英語を勉強しましょう!」につきます。

しかしながら、「お母さんがあの時もっと優しくしてくれていれば!」はもっと難しい。今からやさしくしてもらうということも難しいかもしれませんし、そもそもそれが可能とも限りません。

「あの頃に戻りたい!」というのはしかし、本当はそうじゃないはずです。「今からの人生をもっとよくするために、一時的にタイムマシンであの頃に戻って、行動を修正したい!」ということでしょう。別れた彼女と結婚しておいたら今の人生はもっとよかったはずだ!というような。

しかしタイムマシンはまだありません。そこで精神分析というのは違和感があるかも知れませんが、分析にはそういう機能があると思います。

「転移」というのはけっきょく、ある意味では「再現」です。こじれてしまった父との関係をやり直す。そのために、分析の場に、セラピストを父に見立てた関係を再構築する。非常にうまくいった事例では、これを「やり直す」ことができ、まさにタイムマシンのように、一時的に「戻り」、これからの人生を好転させるというわけです。そううまくいかないケースもたくさんあると思いますが。

しかし、タイムマシンよりはマシですが、分析を受けるというのも、日本では今のところあまり現実的な手段ではありません。

というわけで、私はライフログを取っているんだということをだんだん意識するようになってきたのです。

ライフログを取ってみても、そんなに「再現」ができるわけではありませんが、「あの頃に戻る」何の手がかりもないよりは、手がかりの1つもあった方がはるかに、格段に可能性が高まってくるのです。それをEvernoteで見るたびに実感します。

いやでも、まだ何のログも残していないし、今から先のことばかりじゃ・・・と思う人も多いようですが、ここに発想の転換が求められるのです。これから先の経験を「再生したい!」と思うことは、1度や2度ではありませんよ。