佐々木正悟のメンタルハック

メンタルハックをテーマにおいたビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のワークスタイルを中心に書いていきます

【精神分析】抵抗しては先送りする

セリグマンの「学習性無力感」と言えば有名ですが、コントロールできない電気ショックを与えられ続けたイヌは、電気ショックから逃れうる状況におかれても、電気ショックから逃れようとせずうずくまったままであったのです。

セリグマンはこれを、電気ショックが回避できない、自分の行動が無力であることを学習したとして、学習性無力感とよびました。このイヌの態度と抑うつ的なヒトの態度の類似性を指摘したのも、よく知られています。

学習性無力感 - Wikipedia

 

ところでこのイヌに向かって、「もう大丈夫だから出ておいで」と言い聞かせることができたとして、イヌは素直に出てくるでしょうか?

たぶん出ては来ないでしょう。

こういうイヌの態度について、精神分析の用語で「抵抗」と言ったりしますが、「抵抗」というのはあんまりだという気もしないではありません。イヌにしてみれば、それを素直に信じるには、イヌだとしても素直すぎるという気にもなっているからです。

 

ということは、ヒトにしても同じはずです。

世界なんてぜんぜん信用に値しないところだと、おそらく自分の過程でイヤというほど学んできた人間が、いきなり見ず知らずの人間から「もう大丈夫だからでておいで」といわれたところで、なんでのこのこ出て行けるでしょう。またろくでもないショックをもう一発食らわされるのはうんざりです。

しかもこのきわめて妥当な態度に対して、「抵抗だ」とかレッテルを貼ってくる。

ある場合には、出ていかないのが、用心深くて賢明で「正しい」。

この場合にはしかし、この人ならと信用して、出ていくのが「正しい」。

「抵抗」ということはつまり、「治療者のほうではどのように振る舞うのが正しいかを知っている」という意味になるはずです。「治療に抵抗する」。薬を飲まなかったり、医者の言うことを聞かなかったり。

だって薬には毒が入っているかもしれませんし、医者は自分を陥れるつもりかもしれません。「自分の言っていることは正しいのだからそれに従いなさい」と言ってきたほかならぬ自分の親が、そういうことを繰り返しやってくれるような親だった人からしてみれば。

セミナーがあるといえばすぐに申し込むけどお金は払う気がしないとか、デートの日曜日を迎えて出かけようとするんだけど、気がつくとドタキャンメールを送ってしまうという形で「抵抗」する人がそこそこいます。仕事を始めようと思うと、ヤフー知恵袋を読むという形で「抵抗」する人もいます。

どうするのが正しいのかということは、結局わかりません。(わかってから動く、というのは一種の背理なのです)。だから自分でなかなか決めきれないという。「問題の先送り」というのはそういう心理によって繰り返されることが多いものです。

 

nokiba.hatenablog.jp