佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のライフハックを中心とした生活ブログです

記憶はいつでも失われ続ける

 

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

 

この本にはいろいろなことを勉強させられますが、強調されているうちに少し気になってきたのが「短期記憶が損なわれる」という部分です。

プロ棋士だから、ということはあるのでしょう。短期記憶が損なわれるということは、どんな経緯で「現在のような局面」になっているのかが分からなくなるし、先を読むこともほとんどできなくなります。

英語で文章を読む訓練をしていると、「自分てこんなに記憶力が弱かったのか?」と思うことがあると思います。それはもう少しで読めるようになるという兆候なのですが、母国語とちがって、「頭に入ってこない」。

というのは、「英語のまま覚えておく能力」などというものは、もともと身についていないため、前段の文章内容が記憶に残らない。結果、一文、一文をバラバラに読んでいるようになってしまうのです。

自閉症の本でも、発達障害の本でも、そしてうつの本でも、こういう話はひんぱんにでてきます。文章が頭に入ってこなくなるとか、記憶がつながらない。

たぶん、人間の活動の「単位」というものは、マジョリティの短期記憶スパンに合わせてあるのでしょう。そうであって当然ですが。ですから、その「記憶スパン」より早く忘れてしまう人には、「つながってこない」という苦痛を強いることになってしまうわけです。

が、むしろ障害に遭った方の本を読んでいると、健康な人は、ヒトの脳の記憶力というものを過信しすぎているという気もしてきます。文章は頭に入っていると信じているし、将棋ではなくても、今なぜ自分がこうしているのか、いつでも当然わかっているものといわんばかりです。

しかしそれは本当なのだろうか?

私は、これからやることと、今やっていることと、これまでやって来たことを、「基本単位」(タスク単位)で全部記録しているのですが、今やっているはずの「ブログを書いている」ということになっているのに、じっさいにはそうしていないことが良くあって、しかもそのことを変だと思ってもいないのです。

それはつまり、今し方やっていたことをいつの間にかやめて、しかも、そのことを覚えてもいないという意味です。しかし私は「正常」もしくは「健常」なのであり、その場合でも記憶できている範囲など、こんなモノではないのでしょうか。