佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のライフハックを中心とした生活ブログです

偽薬(プラシーボ)に健康保険は適用されるべきか?

フランスではホメオパシーに健康保険が適用されています。

二〇〇三年秋、当時の保健大臣ジャン゠フランソワ・マテイが、ホメオパシーなど治癒効果が不十分な医薬品の保険支払い率を六五パーセントから三五パーセントに引き下げ、ホメオパシーは近い将来、保険が適用されなくなるだろうと予測されていました。

しかしマテイの後を受けて保健大臣に就任したフィリップ・ドゥスト゠ブラジはホメオパシーの保険適用を継続する。

 

社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)

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なんとバカな、と思われるでしょう。

ホメオパシーが効果があるかどうかというややこしい議論はともかくとして、医学的は偽薬(プラシーボ)以上の効果が認められない「薬」に健康保険が適用されてしまうなんて。

しかも、このホメオパシーの話は、実に不可解なことに「薄められれば薄められるほどますます効果が高い」というふれこみなので、もともと人体に有益とは思われないものを、どう考えても真水としか思われないほど薄めに薄めた液体が売られていて、あまつさえ保険が適用されているというのです。

そんなのは、絶対におかしいわけで、当然保険適用外にしなければならない、と常識的に、あるいは言うほどでもないが倫理的に考えられるはずです。なにかろくでもない人がボロもうけしていて、それが政治家にでも渡っているのでない限り、こういう話には説明がつかないような気がしてしまう。

「ホメオパシーに保険が効かなくなれば、患者はその代わりに他の薬を使用するだけだ。

それでは結局、保険制度にとって、より高くつくから、ホメオパシーの保険適用は続けるべきだ」と大臣は説明しました( Le Monde, 04/09/2004)。

正しい判断かも知れません。

医薬品の四〇パーセント近くがプラシーボとして使用される現況を考えると、薬用成分の含まれないホメオパシーを残す方が安全なだけでなく、保険の負担としても安上がりです。

 

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いやはや政治というのは、難しいものです。

知っておくべきことは、「医薬品の四〇パーセント近くがプラシーボ」というこのとてつもない事実であり、薬局で売られていて、それで治るような病気であるなら、水でも飲んでおくのがいちばん安全だというわけです。

ちなみに偽薬には「副作用」もあります。