佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のライフハックを中心とした生活ブログです

GTDとタスクシュートの極めて根本的な違い

数点ありますが、1点だけに絞ります。

GTDは「気になること」にまず注目します。

タスクシュートは「気にしていないこと」にまず注目します。

これが最初に発生し最後まで影響する最大の違い。

「気になること」は、最初にケアする対象として自然なため、この方法に注目が集まるのはやはり自然でしょう。

問題はなぜタスクシュートは「気にしてないこと」に注意しようとしているのか。

これはタスク管理手法と言うよりはもはや価値観の問題ですが(だからブログで書きますが)私たちには「避けられない行為」(英語で言えばinevitableな?)時間の使い方というものがあって、それを好意的に見てあげなければ落ち着くことも(幸せになることも、といいたいところですが)できやしない。

ホリエモンさんは「自分でなくてもできることは全部、他人に委託する」という超合理主義なことをどこかでおっしゃっていました。しかしながら、未だにトイレには、ご自分でいらっしゃっていると、推測します。

もちろんこれは言葉遊びのようなものかもしれません。

「トイレは、誰だって、自分でなければできない」のですから。しかし、そういう意味で言えば、どんなに力を持ってもどんなにお金持ちになっても、人間の極めて基本的な行為というものは、ほとんど自分に残るのではないだろうか。

トイレや睡眠や食事を「委託」したり合理化することができたとして(する人は今後いるかもしれません。カプセル一錠で完全栄養食をとったり)それで落ち着いていられるような気が、どうも私にはしません。

そしてこれらには、かなりの時間を、それも毎日かけることになるのです。「気になること」にかけられる時間は、相対的には極めて少ないものです。(だからGTDは忙しい人にフィットするのであり、さらには「現状を多少なりとも変えたい人」でないと、しっくりこないところがあるはずです)。

私たちは好むと好まざるとに関わらず、毎日の大半を同じようにして過ごします。そしてそういう部分は、特に忙しくなってくると気にしなくなっていくのです。(よくある記憶力ジョークのように、昨日の夜に何を食べたかは思い出しにくいものです)。

しかし、毎日の大半を同じように過ごしている時間のことを気にかけて、それを好むように持って行けば、時間の余裕は少しずつ得られるようになるはずです。なぜなら、ほかのことをあまりしなくてすむようになるからです。

太古の昔から、睡眠と、三食と、おしゃべりと、排泄と、入浴は、1日の中に収まるようにできています。そして百億円を仮にもうけてもやはり、睡眠と、三食と、母国語でのおしゃべりと、排泄と、入浴は、概ねそれなりの時間をかけて、自分自身でやるほかは、ありません。

逆に、睡眠と、三食と、おしゃべりと、排泄と、入浴のどれもあまり好きでないとなると、クリエイティブな時間をたくさん持てても、お金をたくさん儲けられても、トータルではあまり楽しくないのではないでしょうか。極端な話をしていますけどね。

タスクシュートは気にしていないこと、繰り返しやること、そしてその記録を一番重視するのですが、要するにそういうことなのです。それは現状の変更を望んでも仕方ないという意味ではない。それは価値観です。ツールは価値観を云々しない方がいいと思う。

ただ、気にしていないことを気にするようにしつつやらないと、現状の変更だけを目指して(気になることだけを猛烈に片付けて)現状を変更するのは、多くのケースで困難なのです。

結局毎日やる基本的なことは、いつになってもどこへ行っても、ほとんど同じことだからです。