佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のライフハックを中心とした生活ブログです

倉園佳三著『グッドバイブス』が本日発売開始されました

 

【★予約特典あり★】グッドバイブス  ご機嫌な仕事

【★予約特典あり★】グッドバイブス ご機嫌な仕事

 

 本日発売されたこちらのビジネス書は、ビジネス書というカテゴリーに置かれた、一つのマイルストーンという印象です。

本書では最近のビジネス書・ライフハックにおけるごく当然の前提に対する、新しいアンチテーゼが発されています。

  • 主体的に生きること
  • 好きなことをする時間を増やすこと
  • 個人主義的であること

ライフハック書に、常にこれらが主張されているわけではありません。例えば私は極力抑制的でした。というのも、上のような価値に対して元々懐疑的だったこともあるし、なによりもビジネス書・ライフハックは思想的なところから離れていたい、という気持ちが強かったからです。

でもライフハックというのは、上のような価値観をこれまでのところ前提としていたところはあったのです。

好きでもないことを、誰かに命令されて、いやいやながらやっていたい人は、そもそもほとんどいないでしょう。

ライフハックはそこからもう半歩進んで、必ずしも強圧や命令のせいでいやいや仕事をするわけでなくても、結局誰かがしなければならない苦痛や負担を「技術と工夫で減らす」ことによって、個人の自由を拡大することを目指しているからです。

この技術と工夫で個人の自由を拡大することをよしとする点で、ビジネス書・ライフハックは幅広い価値の共有がある、という気がします。

ただしここで分岐はしていたのです。

個人は自由を拡大し、自由になった時間を使って、どうするのか?

一方には「何でも好きなことをすればいい」(趣味)になりますが、他方には「もっと生産効率を高め、できれば収益を拡大する」方を目指します。べつそれが悪いことではないわけで、そうすることによってたとえば震災への寄付金を増やすことだってできます。

ただ最近は、工夫によって自由を拡大し、さらに収益を拡張する、方針が強勢になりすぎてきたきらいはある、と私は感じていました。

そりゃそうでしょう。大金がほしいのは人情です。自由になった時間でドラクエをやるよりは、一円でも多く稼ぐ方法論の方がウケがいいかもしれません。

でも倉園さんの新刊は、「主体的に、個人主義に生きる」ためのライフハックという基本方針そのものに対して、非常に微妙にではありますが否定はしないまでも賛同せず、全く違う道の模索を始め、ある意味ではほとんど正反対の発想が提案されているのです。

  • 主体的に生きることの代わりに現在に生きる
  • 好きなことをする時間を増やすことの代わりにしていることを好きになる
  • 個人主義的であることの代わりに共生主義的な生活を模索する

こう書くとなんかわかりにくくて少しばかり古色蒼然としている感じすらするかもしれません。

しかし私は思うのです。こうした発想は、いずれどこかで必要になっていたのです。

「ライフハックで自由を手に入れ、その自由でますます個人主義的になる」風に生きられる人は、 実はメンタルがかなり強靱な人でした。そこまでストイックに効率を追求すること自体にメンタルが試される上、その先の時間を孤高に過ごすメンタルも誰もがもつものではありません。

だからといって、古典的な宗教だとか「国鉄一家」ばりの集団主義に情緒的満足を求める時代にも、いまさらとても戻れないでしょう。

『グッドバイブス』の発想がいずれどこかで必要になったというのは、これ以上先も険しく、元来た道に戻りたくもないからなのです。

 

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