佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟の公式ブログです。なるべくならお役立ち情報を出していきたいと思っています。

難しいタスクを確実に実行するためにはコミットが必要

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フランスで行われた心理実験なのですが、1日15本以上のタバコを吸う学生に対して、18時間の禁煙を必要とする実験に参加するなら30フラン払う、と持ちかけました。

すると13%が参加に了解したものの、実際に18時間の禁煙を守って、翌日実験室に姿を現したのはわずか4%。

この参加率を上げたのが実験の趣旨です。

報酬は50フランだと持ちかけ、しかも18時間の禁煙のことはいわないでおきます。

そうやって実際に参加者を実験室までひっぱってから「実は・・・」と切り出します。

実は18時間の禁煙が必要で、しかも報酬は30フランしか払えない、と言うのです。これで先の条件と同じになります。ウソをついたわけですから「参加するかどうかは自由です」とも付け加える。

ところがこうすると、参加率は95%まで伸びて、実際18時間の禁煙を守った人も91%に上ったのです。

The Social Psychology of Minority Influence - Gabriel Mugny, Juan A. Perez - Google ブックス(英文)

 

これがタスクシュートの効用です。現にタスクシュートでは、「すでにこれはやってしまっているから、このままやり続けよう」という心理になることが頻繁にあります。

これとからんで「タスクリストに頼りすぎて依存している人がある」という話が出ることもありますが、私にはイマイチなにがいわれているのか分かりかねます。

私たちは自分の意志だけでなにかをすることは、たぶんありません。常に外的環境の圧に従って動くものです。

フランスの実験では、そもそもニコチンに依存している学生を集めたのでしょうが、「心理実験への参加」という環境要因があれば、ニコチンを18時間断つことが可能になるわけです。

しかもその誘い方が詐欺まがいのもので、半ばだまされて参加させられてしまえば、ニコチンに依存気味であろうと、ほとんどの人が18時間も禁煙できるのです。

この実験には別の眼目があって、より自分のことを個人主義的と自認している人ほど(または知的レベルが高い人ほど)、自分自身に動機を「見つけ出す」という結果が得られています。(たとえば「ずっと禁煙しようと思っていた」とか)。明らかにそれは間違っているこんな場合でも、です。