佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のライフハックを中心とした生活ブログです

「自分の正しさを手放す」ことは「相手が正しいとみなす」ことを意味しない

昨日の記事ではなかなかうまく伝え切れていないように思うので、少し補足します。

 

nokiba.hatenablog.jp

私たちは、自分が苦しんでいるにもかかわらず、しかもその苦しみの一端は「自分が正しい」という思いにあるにもかかわらず、その正しさを手放しがたく感じることが、おうおうにしてあります。

その原因のひとつに、「自分が正しくない(可能性もある)」としたら「相手が正しいことになってしまう」と感じるからです。

自分がいじめられているというのに、いじめている相手が「正しい」なんてことがあっていいはずがない!(だから自分が正しい!)というような苦しみのことです。

この部分を意識しているから倉園さんも次のように断り書きを入れているのだと思います。

私はけっして会社や組織の肩をもっているわけではありません。もちろん、自分の信念を曲げて、長いものに巻かれろなどと言うつもりもまったくありません。

goodvibes.work

 どう考えても「自分は悪くない」にもかかわらず、どうにも苦しみからは抜け出せそうにない。そういうときに誰でも見つけられそうな脱出口のひとつとして「自分の正しさを手放す」があるという話なのです。

こう書いてもまだ納得されそうにないので、よく似た事例をさらに他の本から引っ張ってきてみましょう。

夫が冷たく邪険にするとカウンセラーに訴える奥様の事例です。

(妻)「でも、彼はもうずっと以前から、私に対して邪険な態度なんですが」

 

(カウンセラー)「大丈夫です。もし彼が邪険にしたときに、あなたが彼をなじったら、彼は前と同じようにもっと邪険にあたるだけでしょう。実際彼は、まずはじめに自分が邪険にしたことを忘れ、あなたが邪悪な態度だから自分もいい返したのだ、といいはることでしょう」

 

「まったくそのとおりに彼はいうと思います」

 

「そうでしょう! こうやっていては、いつまでたってもあなたはこのゲームには勝てないのです。でももう少し違ったやり方をすれば、つまり、彼が愛情を示してくれないときに、こちらはいっそうやさしく彼に接していけば、少なくとも彼の愛情を引き出すチャンスだけは保有することになるのです」

 

「でもそれは少し不公平のようじゃありません? 彼があんな態度をとったあとで、私がそうしなくてはならないものなのでしょうか?」

 

「たしかに公平でない感じがします。というより、実際公平ではないのです。それでもなお、私は言いたいのです。ご主人をこっぴどくやっつけることの他に、彼の愛を引き出すためにどんな方法を思いつきますか? 公平でなくてはつまらないということにこだわって、人生をもっと公平にしようと努める、こんな馬鹿げたことをいつになったらやめるのですか?」

 

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 誰もがたしかにこういうことになるケースは、よくあります。つまり、本当に望んでいるのは良好な夫婦関係のはずなのに、それを望みつつ、同時に「公平な態度=私の考えるところの正義」に固執してしまうというようなことです。

自分が絶対に正しいというわけではないからといって、相手のやっていることの正しさを認めるという意味にはなりません。そのうえでできることを探す、ということです。