佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟のブログです。ビジネス書作家のライフハックを中心とした生活ブログです

恐怖症という習慣

離陸したとたんに気分がわるくなり、ワインをがぶ飲みしてとにかく寝ようとしますが、乱気流などで機体が揺れるたびに「墜落」という妄想が沸き上がってきます。

できることといえばもう、焦燥しきったままお守りを握りしめるくらいしかありませんでした。

年に15回ほどの海外出張に行くたびに、文字どおり地獄の十数時間を過ごしていた私は、あるとき機内の中で重大な事実に気づきます。

飛行機が墜ちると考えることに、何のメリットがあるんだ?

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もちろん何のメリットもないわけですが、しかしそれでも何かしらメリットがあるのです。

恐怖症とは根強い「悪癖」です。決して本能でもなければ宿命でもありません。

もしこれが人間の本能であるならば、私たちは全員飛行機恐怖症でしょう。であれば、人類は飛行機を発明できてなかったでしょう。

悪癖は習慣です。習慣はメリットに支えられています。飛行機が落ちると考えることにはどんなメリットがあるのか? それによって墜落しないようにできるか? もちろんそんなはずはありません。

飛行機が落ちると考えることには、堕ちずに無事着陸できたときの、強烈な安堵感とともに、それまでのストレスを一掃するという得も言われぬ爽快感をもたらすところにあるのです。

すべての悪癖は、ほぼこのメカニズムに支えられています。一種のマゾヒズムなのです。

自分はマゾなんかまるで理解できない!という人でも、たとえば、好物を後に食べるか先に食べるか迷う程度にはマゾです。

どういうことか。

好きなケーキを我慢するのはちょっとしたストレスになります。それをケーキを食べるときに一掃するとともに好物を食べているという安堵感と、もちろん美味を体験できます。

つまり、苦痛→安堵と開放感と快感の混ぜ合わせ

という単純な行動心理学の、学習システムに乗っかるのです。

倉園佳三さんのような、地獄の苦しみであればあるほど、それが終わったときの開放感は強烈です。これが癖になってしまうので、決して宿命とか本能とかではありません。つまり、本当にやめたければ、やめることはできます。

簡単に言うようですが、好きなものを後に残すのが癖になっている人でも先に食べることは実際、できるはずです。