佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟の公式ブログです。なるべくならお役立ち情報を出していきたいと思っています。

(私たちにとって重大な)思考は(私たちにとって)現実化する

 

思考は現実化する_アクション・マニュアルつき

思考は現実化する_アクション・マニュアルつき

 

ものすごいベストセラーです。ものすごいです。私のように本を書いてきた人間からすると、これがどれほど売れているか、想像を絶するほどだと言っていいでしょう。

で、このタイトルは本当なのだろうか? と考えることがときどきあるのです。

最近こちらのブログでもひんぱんに引用させていただいている倉園佳三さんは、こんな言い方をされています。

たとえば、ある出来事に遭遇したとき、「これは面倒なことが起こったな」とあなたが頭で考えたとします。

その瞬間に、「面倒な出来事」はあなたにとっての現実となります。

goodvibes.work

こちらのブログでもしばしば紹介した、次のような本があります。これは「グッドバイブス」のまさに裏側の集大成とも言うべき「バッドバイブス」というタイトルにしたいほどの本です。

 

文庫 平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学 (草思社文庫)

文庫 平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学 (草思社文庫)

 

 「グッドバイブス」の肝要は「誠実さ」だということは、きっと納得していただけると思います。そしてまさに「平気でウソをつく」とは不誠実のかたまりのような人たちのことです。

「平気で嘘をつく人」として冒頭、「思考の中だけで息子を悪魔に売り渡すことによって、自分の強迫神経症から逃れる父親」が登場します。

胸の悪くなりそうなエピソードなのですが、この本に登場するのはそうした人ばっかりです。

悪魔と契約したというこの男性は、いろんなことを恐れています。

強迫神経症というのは、物事をきちんとしておかないといけないという神経症で、有名どころでは家に鍵をかけ忘れたような気がして何度も家に戻ってしまうような症状を言います。

「ストーブの火をつけっぱなしにしてるんじゃないかと思って、三度も四度も確かめたりするんです。よかった。べつにほかの人と変わったところはないんですね」

「いいえ、ほかの人とは違っていますよ」私はこう答えた。

「これは、とくに物ごとに成功している人に多いことですが自分が安全で安定していることを確かめたい、という気持ちに多少なりとも苦しめられている人はけっこういます。

しかし、強迫衝動に駆られて一晩中車を走らせるというような人はいません。

あなたは重症の神経症にかかっており、これがあなたの人生を狂わせようとしています。この神経症は治療可能なものです。

上のやりとりからもわかるとおり、この男性は最初は、強迫神経症の治療のために心理療法家のもとを訪れたわけです。

しかししだいにというか、そもそもこの男性の問題は非常に大きく、まともに治療に進もうとしません。

やがて、陸橋を渡るとその陸橋が崩れ落ちるのではないかといった強迫症に取り憑かれてしまいます。

そこでこの男性が編み出す方法というのが、悪魔と思念上で契約することのわけです。

頭の中だけで、息子を悪魔に売り渡す。そうすることで、自分の渡る陸橋が安全であることを悪魔に保証してもらう。

男性の強迫症はこの「取引」によって嘘のように消えてしまいます。気も晴れ晴れとして、爽快に、毎日を過ごせるようになるというわけです。

これに対して心理療法家が次のように指摘するのです。

悪魔と契約したことによって、あなたにとって悪魔が現実のものになったんだと思います。

 このようにして「思考は現実化する」わけです。

これは問題ではないかというと、もちろん問題です。心理療法家に次のように指摘され、男性もようやく治療にきちんと向き合う気になるのです。

あなたは、自分のことを気楽な男、男らしい冷静さをそなえた男だと考えたがっています。たぶん、あなたは気楽な男かもしれません。

ただ、そうやって気楽に、どこへ行こうとしているかというと、地獄以外に行くところはないと私は思っています。