佐々木正悟のライフハック心理学

ビジネス書作家・佐々木正悟の公式ブログです。なるべくならお役立ち情報を出していきたいと思っています。

「考えない意志力」を発揮することは可能

昨日の記事に対して、こちらのツイートの他、類似のご指摘をいくつかいただきました。

これはたぶん、たとえば「一定の(さほど遠くないとしても)距離を歩く際、先々の道のりのことを考えない」の「考えない」は、いいことかもしれないが「意志力」が必要だという指摘でしょう。

私はこの種の「意志力」を発揮するのは可能というか、意志の力にできるほとんど唯一のことは、これではないかという気がしています。

引用ツイートにあるとおり、「先の道のりだとかたいへんそうだといったことをつい考えてしまう」のは習慣です。クセのようなものです。

習慣は、報酬によって強化されます。

つまり、何かメリットがあるから繰り返しやる。繰り返すうちに習慣化するのです。

先がたいへんそうだと考えることには、どんなメリットがあるのでしょうか?

たいへんなことをせずに済むというメリットがあります。たいへんそうだから回避する。それがメリットです。

だから、回避ができないことについて考えるのは、デメリットしかないのです。

この点を確信すれば、「考えない意志力」を発揮することは可能でしょう。

「意志力」はちなみに、はたして自由に使えるものなのかということを、かなり科学的に検証したのが次の本です。

 

マインド・タイム 脳と意識の時間

マインド・タイム 脳と意識の時間

 

 著者によれば、私たちはたとえば「腕を上げよう」と思ってから「腕を上げる」ものだと思い込んでいますが、この思考→運動行為には常に、「自由意志」の生じる0.5秒前に「準備電位が脳内で検出できる」というのです。

つまり

 

  • 準備電位 → 腕を上げよう(自由意志) → 腕を上げる

 

という流れなのです。これで果たして「自由意志」と言えるのかというのが本で提起された問題です。

著者のベンジャミン・リベットは「行為を行う自由意志は私たちには存在してないかもしれないが、その行為を取り消す自由意志はある」という凝った問題提起を主張しています。

リベットが全面的に正しいと言えるかは、わかりません。

ただ、意志について実証科学的に踏み込んだ画期的な人ではあります。

そのリベットがいうには、私たちが「自由意志」を発揮するときには、何かを「取りやめる」ことだけだというのです。

このくらい理屈っぽくストイックな文脈でも「考えることを止める」のはおそら自由意志でできるのです。

一度は依存症になったものの、お酒を(飲むことを)止めることのできた人のなかには、やはり最後はどこかで「意志力」を発揮したと思うのです。

そのとき、「アルコールを摂るメリットがない」ということへの確信は、必要だったはずです。

  • 考えるメリットはないこと
  • 考えるのを止めるには意志力が必要だということ

昨日の記事には、このふたつが何より必須です。